ゴミ山へ一本道と洗礼 #ゴミ山潜入ルポ2

 

一本道の入口から十分ほど歩き、少し左に道がカーブした。

足取りはすでに重い。知らない土地で力強い太陽に照らされ、若干の疲労感を覚えながらも、ノートに自分が見たものを書きなぐりなら歩き続ける。すると突然、地面の様子が変わったことに気付いた。コンクリートの舗装された道が消え、砂利道になり、道にはボロボロのビニール袋やプラスチックのゴミが散乱していた。

メモをしながら歩いていた私はその手を止め、顔を上げる。数十人ほどの人間が長靴を履き、長さ数十センチの先端がかぎ爪状になっている金属棒を使い、地面に広がるプラスチックやビニール袋などのゴミをかき集めていた。私は眼前に広がるゴミの量と黙々と作業をする人びとの数に、自分がいよいよゴミ山に来たことを実感した。

 

 

 

ゆっくりと呼吸をする。

何かが腐った臭いが鼻腔に残る。

この臭いを私の脳は覚えているのだろうか。

日本に帰ってきた今でも、ふとした瞬間に思い出すことがある。

しばらく立ち止まり、黙々と作業をしている彼らを見ていると、喉が渇いていることに気付いた。そういえば、一本道の入口から水を飲んでいない。

バックに手を伸ばせば、ペットボトルの水にすぐにありつけるのに、手が伸びない。

鼻に襲いかかるたまごが腐ったような臭いのせいで、飲む気が失せてしまう。

道に広がるドブだまりから発せられる異臭は身の危険を感じるほどのものだ。ノートにメモを取っているとハエが私の足に集り始めた。

私はここで、水を飲みたくない。

もっと言えば息もしたくない。

 

 

 

 

 

本能的に、ここに長くいてはいけない。そんな気すらした。

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