セブというリゾート地のゴミ山に登る。 #ゴミ山潜入ルポ4

 

一本道もようやく終わりが見えてきた。

つい先ほどまでのにぎやかな雰囲気から一転し、さっきまで聞こえなかった鳥の鳴き声が聞こえるほどの静寂に包まれた。私の目の間には、ゴミ山がそびえたっている。

 

道には人が一人もおらず、ポツンと私だけが道の真ん中で立ち尽くしている状態だ。

 

 

さっきまでのにぎやかさは、どこに行ってしまったのだろう。そんなことを考えながら、ゴミ山の警備員のような人物と目が合ったので話しかける。この辺を歩いても良いかと聞くと、イエスの一言が簡単に帰ってきた。

外国人が珍しいといった様子もなく、ただ無関心であるかに見えた。彼が腰かける椅子は詰め所の外にある。ショットガンをぶら下げているのを目にして、背筋が凍る。緊張が走る。少しだけ、速足になった。

ゴミ山には道があり、トラックが一台通れるくらいの幅はある。足を踏みいれる。

今、私はゴミ山を登っている。鳥の鳴く声が虚しく響いた。

道の跡に沿って登っていく。緩やかな坂が続く。足元は大量のゴミが重なり合い、地面が見えないほど覆いつくしている。入口のすぐ右側に池が見える。色は緑っぽい黒色で、ビニール袋のゴミやタイヤが池の中に沈んでいる。ここに落ちたら終わりだと、本能的に悟った。

足元に注意しながらゴミ山を登る。ゴミ山には人影はない。一歩一歩慎重に足場を確保しながら、進む。

足場を踏み誤ると真っ黒なドブ溜まりに足が沈む。

ビニール袋のゴミは透明ではない物がほとんどで、その下がどうなっているのかがまったく分からない。

野犬か何か糞が歩みを邪魔する。ゴミ山に入り、数分が経過した。私は今、さっきまでの臭いを感じないことに驚いている。

 

ゴミ山の入口から歩き続け、頂上に着いた。

ゴミ山から海がすぐ近くに見える。風が強く、ゴミ山に潮風が強く吹き付ける。

 

頂上へは入口から歩いて十分ほどだった。足元をよく注意しながら歩かなければならないため、とても気を遣った。

 

歩けば歩くほど、疲労感が増す。やはり周囲に人はおらず、ツバメが数羽飛んでいる様子が、余計にゴミ山を空虚にさせる。ビニール袋のゴミが風に吹かれ、ガサガサと音を立てている。

 

この世にはもうそれ以外の音は存在しないのかと思う。だとしたら、なんて悲しい世界なのだろう。

 

メモを取るために、立ち止まるとすぐにハエが体に止まる。

私もゴミ山の一部か。

ゴミ山で、大量のゴミたちが泣いているかのように、音を立てる。

ガサガサ、ザワザワ。人間の際限ない経済活動から出た大量のゴミ。

不思議と下山する時の足取りはとても軽かった。

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