「飼い主が死んだ…」「引っ越し先はペットNG…」飼えなくなったペットはどうなる?
どうも、初めまして、高橋寛行です!
動物関係の仕事や社会問題に興味があり、今回は東京都にある東京動物愛護相談センターに見学に行ってきました。
ところで、動物にかかわる仕事って考えてみると意外と少ないですよね。
獣医、ペットショップ、動物園、トリーマー、保健所、このあたりが動物にかかわっている場所、仕事だと思います。
動物が好きで動物にかかわる仕事がしたい!と思っても、
その実態や仕事の種類がわからない人が多い(もちろん自分もそのひとりです)と感じたので、
是非参考までに,今回は保健所の現状について知ってもらいたいと思い記事にしました。
【保健所のイメージと現実とのギャップ】

皆さんが思う保健所ってどんなイメージですか?
・犬が吠えていてうるさい
・犬たちは小さなケージで保護されている
・死を待つ犬猫がいる場所
・犬猫の引き渡しを行っている場所
しかし、このイメージは実際に見学に行ってみたら、あくまでただの「イメージ」に過ぎないのではと感じました。
近隣住民に配慮するため、住宅から離れた場所に保健所が建ってはいますが、
建物外にいたら犬の鳴き声はほとんど聞こえませんでした。
中に入ってみると、一時保護中の犬たちはケージの中で保護されてはいたものの、
保護期間が終わり譲渡のために保健所で飼育されている犬たちは、
5、6畳はあるスペースに対して1匹とう予想以上に広々とした空間の中で生活をしていました。
ある程度生活に慣れてきた子たちは保健所の事務室で、
人と一緒に生活をさせることもあるそうです。
また、餌をあげたり、散歩に連れていくのは保健所の職員ではなく、
ボランティアの人たちが行っていました。
これも犬たちが多くの人と触れ合える良い機会になっているのではないかと感じました。
保健所内にはドッグランのような犬同士が触れ合えるような場も設けられていました。
【なぜ保健所に預けられてしまうのか】

保健所にくる犬猫は野良が多いと思っていましたがそうではありませんでした。
飼い主が高齢で死亡してしまい、世話をする人がいなくなり飼育ができない場合や、
引っ越し先がペットNGでこれ以上飼い続けることが困難な場合などに保健所に連れてこられることが多いそうです。
このように仕方なく飼えない、飼えなくなったなどの場合、ペットたちは保健所で引き取られる仕組みとなっています。
しかし、犬のしつけが不十分で手におえない場合など、
人間側の勝手な理由の場合は、保健所では基本的に預からないそうです。
ちなみに、野良犬が減った原因として、つないで飼育する人が増えたことが理由のひとつだと職員の方は言っていました。
【そこにいた犬猫たちの今後】
実は今、殺処分はほとんど行われていないそうなんです!!
じゃあ保健所に預けられた犬猫たちは、
みんなすぐに新しい飼い主が見つかっているのか?
どうやらそういうわけでもないみたいです。
まず、保健所の仕組みとして、保護されてから1か月間は保護期間として保健所で保護されますが、
その期間が過ぎると譲渡可能な期間に移ります。
取材をするまでは、譲渡先は個人がほとんどなのだろうと勝手に思い込んでいましたが、実際はそうではなかったんです。
実は譲渡先の割合は、
団体:個人=8:2
だそう。
この団体というのは譲渡団体のことで、保健所の犬猫を引き取って里親を探す活動をしている団体のことです。
保健所職員の方に、
「飼いきれなくなって保健所に連れてこられる犬猫はいるのか?」と、
実際に聞いてみたところ、そういう事例はあるとのことでした。
なかでも個人的に驚いたのは、引き渡しを希望して保健所に犬猫を連れて来ても、
実際に引き取るケースは少ないということでした。
引き取るケースが少ない??
ではどうしているのか。
実際は譲渡団体に連れて行くように勧めているそうです。
この保健所には提携している譲渡団体がいくつか存在し、飼い主にその譲渡団体を勧めているのです。
ちなみに、保健所でやむなく犬猫を引き取ってもらう場合は1匹3,000円かかるのですが、
譲渡団体の場合は民間で行われているため1匹3万~5万円位するそうです。
【おまけ~ドイツのティアハイム】

動物愛護先進国と言われているドイツ。
そこではティアハイムという動物愛護施設が活躍しています。
ここでは犬、猫、爬虫類、豚、鳥など様々な動物たちが保護され、
病棟や訓練施設、保護施設、カフェなど動物に関する施設が集まっています。
広さは東京ドーム3個分ほどあり、動物たちは広々とした環境で保護されています。
この施設は市民からの寄付で成り立っている部分が大きいですが、
そう聞くともっととても素敵な施設だと感じました。
日本にもこんな施設を導入できたらいいですね。
(文/たかはし)